ベジタリアンやヴィーガンなどのレシピはたくさん見つかるけれど、ホールフーズプラントベース(WFPB、詳しくはこちら)となると、日本語では見つけにくいのではないでしょうか?
「ホールフーズプラントベース(WFPB) レシピリンク その 1」 で紹介しきれなかったレシピのリンクをご紹介します。今回は簡単に作れるものが多いです。英語動画のリンクではありますが、材料を日本語で記載しましので、興味があれば参考にしてみてください。YouTube 動画は自動翻訳で日本語字幕を出すこともできますが、確認してみたら非常にわかりにくかったです。残念……(>_<)
その 1 はこちら↓
Simmett Nutrition by Derek
シムネット・ニュートリションは、栄養士の免許を持つデレクさんが、2011 年に WFPB ダイエットをはじめてから、そのすばらしさを多くの人に伝えたいという気持ちで開設した YouTube チャンネルです。カナダ、ブリティッシュコロンビア州の南西に位置する自然豊かなバンクーバー島から発信されており、ときおり自然の中で生活を楽しんでいるようすがうかがえます。
細身の体型だったデレクさんは、誰かにこの食事法について話すたびに「お前には合うんだろうけど、俺はもっと筋肉をつけたいんだ!」と言われていたそうです。私も確かに、ベジタリアンやヴィーガンの人は、やせ細っているというイメージを持っていました。そこでデレクさんは、自分がこの食事法をしながらワークアウトをして筋肉をつけなければ理解してもらえないと気付き、実践。今では筋力を鍛える運動が大好きになったとのこと。また、当時の WFPB のレシピは、材料が簡単に手に入らないものや、つまらないものが多かったようで、スーパーで手軽に買える材料を使って独自のレシピを作り、YouTube 動画で配信をはじめました。そして、この生活を続けることで体格も良くなり、食生活もさらによくなっていったそうです。タンパク質など筋肉を作るために必要な栄養素をどのように WFPB の食事から取り入れて、日々どんな食生活、筋トレをしているかなどの動画を見るとができるので、アスリートや筋力を鍛えたい人にとっては、有益な情報が満載のYouTube チャンネルではないかと思います。
私は特別筋肉をつけたかったわけではありませんが、手軽にできるレシピを探していてこの動画にたどりつきました。基本的に、味をみながら感覚で作っているようなので、はっきりした分量が分からないところもありますが、それがおいしくできるコツなのだと思います。私が試したレシピはとてもおいしかったので、その中から 2 つご紹介します。
便利ドレッシング(WFPB バージョン・タヒニソース)
10 分でできる料理という言葉にひかれて、はじめて見たデレクさんの動画です。炒めた野菜にタヒニソースをかけて食べるだけの料理ですが、このタヒニソースがとてもおいしかったので、ご紹介します。野菜をソテーするところまでは、油を使わずにお水を追加しながら焦げないように火を通せばよいので、野菜にかけるソースの部分から動画が始まるように設定してあります。デレクさんいわく、ドレッシングやソースを作るときに必要な味付けは、甘味、塩味、酸味の 3 つ。この動画以外にもいろいろなドレッシングを紹介していますが、私はこのドレッシングが一番好きで、麺やご飯に野菜炒めなどをのせたものにソースとしてかけたり、サラダのドレッシングにしたりと、よく作っていました。
材料の記載がないので、動画からわかる範囲で以下にまとめました。かなり大雑把なので、味をみながら調整することを強く勧めします(^^;) 作り方は、すべての材料をミキサーに入れて撹拌するだけです。日本で手に入りにくいものもあると思うので、代用品も記載しました。動画で使用されている細長いレッドペッパーは、日本では見かけない種類のものですが、赤ピーマン(緑のピーマンが熟したもの)や赤パプリカで大丈夫です。私は赤パプリカを使いますが、甘味があるせいか、ドレッシングやソースに入れるとおいしいです。とはいえ、なければ省いても十分おいしいです。
<タヒニソースの材料>
1. タヒニ:大さじ 2〜3 程度。練りごまで代用可能。
2. マスタード:小さじ 2 程度。動画ではブラウンスパイシーマスタードを使っています。普通のマスタードやディジョンマスタードなどでも可。
3. デーツ:大 1 個。種付きの場合は種を取る。ホールフーズにこだわらなければ、メープルシロップやアガベシロップなどで代用してもよいと思います。
4. 塩(シーソルト):適宜。
5. バルサミコ酢またはリンゴ酢:大さじ 1 程度。なければ、レモン、ワインビネガー、米酢でもよいと思います。
6. 赤ピーマン:4 分の 1 程度。甘みのあるパプリカがお勧めです。
7. 水:適宜。これも好みですが、私はほんの少ししか入れません。ミキサーが回って、デーツとパプリカがよく砕けて、ドレッシングとして使いやすいゆるさになればよいと思います。
デーツやパプリカを使用しない場合は、ミキサーを使わずに、ただ混ぜたらよいのでさらに簡単です!
<野菜炒めの材料>
タマネギ、マッシュルーム、ヒヨコマメの水煮(水洗いしてから水を切る)、冷凍エダマメ、チンゲン菜、オニオンパウダー、ガーリックパウダー、ミックスドライハーブ
*筋肉を作るタンパク質を大量に摂るために、豆類がたくさん使われています。野菜は何でもいいので、余った野菜を使い切りたいときにも便利です。
<サラダ>
レタス、ヒカマ、キュウリ、ラズベリー、レッドペッパー(なんでも OK)
ふわふわマフィン ver.2
「ホールフーズプラントベース(WFPB) レシピリンク その 1」で、マフィンを紹介しましたが、実は、シムネット・ニュートリションのレシピを先に見て、このレシピをもとにしてよく作っていました。前回紹介したマフィンはサツマイモを使っていましたが、このレシピはバナナを使います。バナナはよく熟したものを利用すればデーツの量が少なくてすむのと、サツマイモを蒸したりする手間もなく簡単です。
ケーキやパンを焼くときはレシピどおりに作らないと上手にふくらまないので、しっかり分量を計る方も多いかと思いますが、デレクさんが動画で説明している通り、焼く前の生地がどんな状態かおぼえておけば、このマフィンに関しては失敗はないです。この生地は、クッキーの生地よりもゆるく、ホットケーキの生地よりもかたい程度だということです(動画の 4 分 50 秒あたりを参照)。デレクさんは、自分で作るときは、いつも目分量で、材料を計ったことはないそうです(^^;) バナナの熟れ具合や大きさもいつも同じとは限らないので、デレクさんの指示どおりに生地のかたさを調整して、今のところ私も失敗したことはありません。
<材料>
アメリカのレシピなので 1 カップ = 240 ml ですが、カッコ内に ml で表示しました。
オーツフラワー :2¾ カップ(660 ml)(オーツ麦を粉にしたもの。ロールドオーツを使う場合、約 3 カップ (720 ml)をフードプロセッサーで撹拌すれば、簡単に粉にできます)
熟したバナナ(中):3 本
デーツ(大):3 個(なければ、メープルシロップやアガベシロップで代用できます)
ナッツ、シード(カボチャの種、ヒマワリの種、クルミ、アーモンドなど)(*1): 1/4 カップ (60 ml )
ドライフルーツ(レーズン、ゴジベリーなど) (*1): 1/4 カップ (60 ml )
チョコレートチップ(オプション):1/2 カップ (120 ml)
アーモンドミルク(私は豆乳を使いますが、水でもよいそうです。):1/2 カップ(120 ml)(生地のかたさは、1 カップ(240 ml)でちょうどよくなるので、もしかしたら粉の量が間違っているのかも???)
グラウンドフラックスシード (フラックスシードを挽いたもの):1/4 カップ (60 ml )
レモン汁(私はリンゴ酢を使っていました):大さじ 2
シナモンパウダー(*2):小さじ 3
重曹(*2):小さじ 1
べーキングパウダー(*2):小さじ 1
(*1)ナッツ、シード、ドライフルーツは、好きなもので代用できます。私の定番は、「クルミとレーズン」の組み合わせ。「ブルーベリー(冷凍でも可)」で代用して作ってもおいしいです。
(*2) デレクさんは、重曹とべーキングパウダーについて、どちらか一つでもよいと思う、と言っていますが、私もどちらか一方では試していないので、うまくできるかは不明です。ベーキングパウダーを入れない場合は、酸で化学反応を起こして膨らませる必要がなくなるので、レモン汁は必要ないはずです。両方入れると『ふわふわ』のマフィンが出来上がります。
<作り方>
オーブンは165~180℃(325~350℉)に予熱しておく。
1. オーツフラワー、 グラウンドフラックスシード 、シナモン、重曹、ベーキングパウダーを大きめのボールに入れて混ぜる。
2. バナナ、アーモンドミルク、デーツを、ミキサーかフードプロセッサーで撹拌。デーツを使わない場合は、手で混ぜてもよい。
3. 2 を 1 のボールに入れてよく混ぜ、動画 4 分 50 秒で見せているようなかたさの生地になるように、粉か水分を加えて調整する。
4. ナッツ、シード、ドライフルーツなどお好みの具を追加して混ぜる。
5. レモン汁を入れ、軽く混ぜる。このとき、よく見るとレモン汁と重曹の化学反応が起きて小さな泡が見え「ふわふわ」になる前兆が見られます(^_^)
6. マフィン型(12個取)に分け入れる。
7. 165~180℃(325~350℉)のオーブンで 20~25 分焼く。北米のオーブンは、メーカーや型式で焼け方が違うからか、よくこのように指定温度に幅があります。私のオーブンでは 180℃でした。
Jane Esselstyn
他の記事にも登場したエセルスティン博士の娘、ジェーン・ エセルスティン さんの YouTube チャンネルです。母親のアンさんと一緒に心臓病の予防・治癒のための WFPB レシピ本を出版していて、その本で紹介されているレシピも含めて動画を配信しています。残念ながら、レシピは YouTube の概要欄には載っていませんが、動画を見るだけでも参考になります。
甘くないオートミール
週末のお昼などによく作っていた甘くないオートミールです。ニュートリショナルイーストやスリラチャソースなど、日本ではあまり見かけない食材も材料に入っているので、これにこだわらず自分流の WFPB オートミールを作ってみるのも楽しいと思います。私も今度は、お味噌などで味付けして、ケールの代わりに最近店でよく見かけるターサイや、畑にたくさん種をまいたホウレンソウ、コマツナなどを入れて作ってみようかと思います。辛味は柚子胡椒、トッピングにネギとゴマもよいかもしれません(^_^)
<材料>
アメリカのレシピなので 1 カップ = 240 ml ですが、カッコ内に ml で表示しました。
スチールカットオーツ:1/2 カップ(120 ml)
ニュートリショナルイースト:大さじ 2
ターメリックパウダー (ウコンパウダー):小さじ 1/4 〜 1/2
スリラチャホットソース(*1):小さじ 1/2
生しいたけ:1/2 カップ
ケール:2カップ(480 ml)
水:2カップ(480 ml)
(*1)日本でも購入できるようですが、辛いものが好きな方は家にあるホットソースで代用すればよいと思います。
スリラチャソースの原材料:唐辛子、砂糖、にんにく、食塩、ガーリックパウダー、野菜エキス、食酢、糖発酵調味料、香辛料、香料、酸味料、増粘剤(キサンタン)
<作り方>
上記の材料を鍋に入れ弱火にかける。8 分程度でようすをみて好きなかたさまで煮る。私もアンさんと同じで、火が通り過ぎて噛み応えのないオーツはあまり好きではないので、だいたい10 分程度で火を止めます。
その他
今までご紹介したもの以外にも、よさそうな動画はたくさんあるのですが、これから紹介するサイトに載っているレシピは、実際に試したことがないので、参考までにリンクを貼っておきます。
Forks Over Knives
フォークス・オーバー・ナイブズ(Forks Over Knives)は、2011 年に公開された WFPB ダイエットの考えを世に広めた草分け的ドキュメンタリー映画です。今もブログや YouTube を通して、食生活で健康を取り戻すことができることを多くの人に知ってもらうための活動をしています。ここでは「調味料とソース(Condiments & Sauces)」のリンクを貼っておきますが、再生リストから、カテゴリー別にレシピを選ぶことができます。レシピは各動画の概要欄に記載されていて、どの動画も 1 分程度にまとめられているので、とてもわかりやすいです。
ドキュメンタリ映画、フォークス・オーバー・ナイブズは、Netflix(ネットフリックス)で日本語字幕付きで視聴することができます。以下の YouTube 画像は予告編です。
英語は、フォークス・オーバー・ナイブズのホームページから無料配信しています(2021 年 11 月 16 日現在)。ホームページ内の再生アイコンをクリックし、メールアドレスを入力すると映画が始まります。興味のある方はこちらからどうぞ。
Well Your World by Dillon
ウェル・ユア・ワールドは、WFPB ダイエットに切り替えたことで健康を取り戻したディロンさんが運営するサイトです。この経験を友人、親戚、仕事仲間に伝えたけれど全く受け入れてもらえず、それがきっかけで会わなくなった知人もいたそうです。長い時間をかけてようやく答えを見つけたのに、誰とも分かち合うことができない。そんな状況を変えるためにはじめたのが YouTube です。人を変えようとするのをやめ、その代わりに、自らの意思で情報を求めてやってくる、すでに食生活を変えたいと思っている人たちと情報を共有する方針に転換したのです。それが功を奏して、今では 8 万人近い人たちが登録するチャンネルとなり、たくさんの人たちの健康に貢献しています。ほとんどの食事を自分で作るディロンさん。どんなものを入れて、どうやったら簡単においしく作れるかを見せてくれます。分量を計って作るレシピはありませんが、いろいろな考えをシェアしてくれるので、ときどき見ては参考にしています。上記のフォークス・オーバー・ナイブズと同じように、再生リストの中から興味がありそうなものを選ぶとよいと思います。以下は、ディロンさんとパートナーのリーブズさんが気に入っている 5 つのレシピを紹介している動画です。