ホールフーズプラントベースダイエット

ホールフーズプラントベースダイエット

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一冊の本をきっかけに出会ったホールフーズプラントベースダイエット。動物性食品を避け、できるだけ加工・精製されていないものを食べるというこの食事法を約 2 年半続けてきました。ベジタリアンやヴィーガンとの違いを含め、ホールフーズプラントベースダイエットをご紹介します。

目次

ホールフーズプラントベースダイエットとは

ホールフーズプラントベース( Whole foods plant-based: WFPB )ダイエットという食事法は、欧米では徐々に知られてきていますが、日本ではまだあまり耳にしないように思います。 ダイエットというと、やせるための方法のように聞こえるかもしれませんが、ここでは「食事法」という意味で、特にやせることを目的としているわけではありません(結果的にやせる人は多いとは思いますが)。 WFPB ダイエットは、コーネル大学栄養生化学部名誉教授 T・コリン・キャンベル博士が最初に提唱した食事法です。キャンベル博士は、栄養事情を改善するために訪問したフィリピンでの経験から、それまでの栄養に関する常識が大きく間違っているのではないかと疑問を抱き、その後、アメリカで推奨されていた肉や乳製品などのタンパク質中心の食事が、実際はいかに人間の健康を害するかを研究で明らかにします。そして、動物性食品を避け、植物性食品を未加工・未精製の状態で食べるホールフーズプラントベースダイエットこそが、あらゆる病気の予防、さらには治癒につながるという結論に至ります。これについては、2005年にアメリカで発行されてベストセラーとなった、キャンベル博士の著書「チャイナ・スタディー」に詳しく書かれています。日本語を含むさまざまな言語に翻訳されてるので、是非読んでみてください。もしかすると、人生を変える一冊になるかもしれません。

WFPB は、ベジタリアンやヴィーガンとは異なります。この 3 つのダイエットの共通点は、肉や魚を食べないことです。このなかで、ベジタリアンだけが、卵や乳製品を食べます。WFPB ダイエットは、ベジタリアンよりもむしろヴィーガンと混同されがちですが、実はけっこう違いもあります。今回は、そんな食事法について少し書いてみたいと思います。また、WFPB ダイエットをはじめたきっかけや実際に 2 年半近く続けてきてどうだったのかなどにも触れてみたいと思います。

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WFPB ダイエットで食べるもの、食べないもの

基本的に動物性の食品は食べません。肉類はもちろんこと、乳製品も卵も魚も食べません。そこは完全菜食主義ともいわれるヴィーガンと共通しています。ただし、私の理解が正しければ、ヴィーガニズムは単なる食事法ではなく、倫理上の主義のようなもので、「可能な限り動物から搾取しない」という生き方です。 本来ヴィーガンは、毛皮のコートはもちろん、靴やかばんなどの革製品も使用しないほどです。対して、 WFPB を実践している人は、健康にフォーカスしている場合が多いのではないでしょうか。もちろん、これは一般論で、健康的な食事をするヴィーガンもいれば、健康と動物愛護、両方の理由で WFPB をはじめる人もいるでしょう。 WFPB ダイエットをはじめたことがきっかけで、動物愛護に目覚めたり、人間の食生活が環境に与える影響にも目を向けるようになったり、ということもよくあると思います。私自身も、 WFPB ダイエットのことを知り、いろいろ勉強する中で、今までは気付かなかったこと、例えば、私たちが何気なく選ぶ食品が与える環境や動物への思いもかけないような影響に気付くようになりました。その話は長くなるので別の機会に譲りたいと思います。

ヴィーガンが食べてもよいもので、 WFPB では食べないものはたくさんあります。主に、高度に加工・精製された食品です。砂糖や油などは精製食品とみなされ、 WFPB ダイエットをはじめたら真っ先にやめるべき食品です(研究者やドクターによって考え方が少しずつ違うので、油でもオリーブオイルだけは推奨される場合もあります)。清涼飲料水、市販のケーキやスナック菓子、フライドポテトなどは、たとえ動物性食品不使用のヴィーガン対応であっても、油や砂糖などの精製食品をたっぷり含んでいることが多いので 、WFPB ダイエットには向きません。

もちろん食べられないものばかりではなく、積極的に食べるよう勧められている食品もあります。野菜(特にアブラナ科の野菜や葉物野菜)や果物全般、豆類、精製されていない穀物(オーツ麦、玄米、キヌアなど)です。世の中では糖質制限ダイエットが優勢で、炭水化物を避けるダイエットを実践している人も多いですが、 WFPB では少し違います。精製された砂糖や小麦粉はもちろん勧められませんが、未精製の穀類や豆類などについては、積極的に摂取するよう勧められています。他には、コレステロール値が高いなど、健康上の問題がない場合は、適量のナッツやシード類(ゴマ、チアシード、フラックスシードなど)も摂るべきとされています。

要するに、植物性の食品をできるだけ「ホール(whole)」の状態、つまり、できるだけ未加工・未精製に近い状態で食べるのがホールフーズプラントベースダイエットというわけです。例えば、リンゴの場合、ジュースとして飲むのではなく、リンゴそのものを食べます。そうすることで、食物繊維が摂れるだけでなく、噛むことにより栄養の吸収もよくなります。丸ごとのリンゴであれば、ジュースとは異なり、血糖値の急激な上昇が起きません。そのような未加工・未精製の植物性食品をバランスよく摂取することで、高血圧や糖尿病などの生活習慣病だけでなく、がんや心臓病などの多くの深刻な病気を予防し、さらには治すこともできると、多くの研究で証明されています。アメリカでは、手術や薬の代わりに、そのようなダイエットを含む生活習慣の改善を処方するドクターも増えてきており(ライフスタイルメディスンといわれています)、そのようなライフスタイルの改善を取り入れたプログラムが保険でカバーされる場合もあります。そのことからも、健康への効果が十分に認識されている食事法だといえるのではないでしょうか。

食品を ホール(whole)」の状態で食べることの重要性は、T. コリン・キャンベル博士の WHOLE がんとあらゆる生活習慣病を予防する最先端栄養学 に詳しいので、興味のある方は読んでみてください。

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WFPB ダイエットはじめたきっかけ。これまでの食生活は?

WFPB ダイエットをはじめたきっかけは、あるオーディオブックを聞いたことです。あるとき、AmazonのAudible でオーディオブックの無料体験キャンペーンをやっているのを偶然知り「せっかくだから試してみよう、どうせなら読むのが面倒な英語の本にしよう」と思い、面白そうな健康関連の本を探していました。そこで目についたのが、How Not to Die という本です。著者は、マイケル・グレガー(Michael Greger)さんというアメリカ人ドクター。末期の心臓病で死を宣告されたご自身のおばあさんが、食生活の改善によって復活したことをきっかけに、食事を含む生活習慣と病気との関係を深く探求するようになった方です。 WFPB 界隈では知らない人のいない、非常に有名なドクターです。

この本には、ひとことで言うと、生活習慣を改善することで人は健康になれる、ということが書かれています。人間が病気になる原因は、多くの場合、遺伝子ではなく、その人の生活習慣であるということを証拠に基づいて科学的に説明してくれています。食べるべきもの、食べるべきではないものをわかりやすく具体的に解説してくれているので、すぐに実践できる内容です。私はもともと健康な方で、特に気になる健康上の問題はなかったのですが、それでも年を取れば体に不具合が出たり、それよりもなによりもボケたりするのではないかという漠然とした不安がありました。そして、それは、自分の努力によってある程度は防げるものの、完全には避けきれないことだと感じていました。ところが、この本によって、実は生活習慣、特に食習慣を変えることで、人は年をとっても健康に生きられるのだ、ということに気付かされました。そして、自分の健康は自分で守ろう、このダイエットを実践してみよう! と心に決めました。そのことをこのブログを共同運営している友人兼ルームメイトに伝えたところ、同じように強い興味を示してくれて、ほぼ同時にこのダイエットを開始することになりました。

ところで、このダイエットをはじめたのは、約 2 年半前、2019 年 5 月のことです。実はその前の 2~3 年も肉類は食べず魚介類や卵は食べる、いわゆるペスコベジタリアンだったので、WFPB に移行するのは、肉類を日常的に食べている人と比べるとかなり楽だったのではないでしょうか。若いうちは好きなものを特に何も考えずに食べていましたが、ある程度の年齢になってからは健康に気を遣うようになり、このダイエットをはじめるまでの 10 年ほどは、口に入れるものにはそれなりに気を付けていたので、その点でも移行しやすかったのだと思います。魚介類やチーズは好きだったので最初は少しさみしかったですが、それもしばらくして慣れました。

‘”How Not To Die” (Michael Greger 著)は、食事のせいで、死なないために[病気別編]食事のせいで、死なないために[食材別編]というタイトルで 2 冊に分かれて日本語訳が出ています。

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2 年半続けた感想

糖尿病が治った、血圧が下がった、コレステロール値が低下したなど、劇的な効果が報告できれば説得力があるのですが、もともとかなりの健康体で、しかも食べ物にもそれなりに気を付けていたので、そのような大きな効果はあらわれていません。ただし、小さな効果は三つほど思い当たります。一つ目は、まったく風邪をひかなくなったことです。風邪は、それまで冬になると必ず何度かひいていたのですが、このダイエットをはじめてからは一度もひいていません。二つ目は、体温が上がったことです。以前は 35 ℃ を少し超える程度と低すぎた平熱が、今は 36.5 ℃ 前後と良好です。これは、風邪をひいていないのと関係しているのかもしれません。三つめは、脚がむくまなくなったこと。以前は、夕方になるといつもむくんでいた脚が、いつのころからかむくまなくなりました。もちろん、これらがホールフーズプラントベースによるものとの証拠はありませんが、偶然というのも無理があるような気がするので、自分では、食べ物のおかげだと思っています。

それから、味覚は変わったと思います。動物性食品をまったく食べず、砂糖や油も避けるとなると、食べる楽しみがないのではないか、と思われがちですし、私もそう思っていました。もともと肉類は食べていなかったものの、オリーブオイルやチーズは大好きで、揚げ物も好きでした。それが今では、オリーブオイルすら使いません。このダイエットを知って、料理の仕方はすっかり変わりました。油の代わりに水で野菜を炒められるなんて、以前は考えたこともありませんでした。グリル野菜にはオリーブオイルをたっぷりかけてこそおいしいのだと信じていましたが、実はオイルフリーでもおいしく食べられることを知りました。砂糖なしでもデーツやレーズン、バナナなどを使えば、十分甘いお菓子が楽しめることも学びました。料理は好きな方なので、いろいろ工夫して、健康でおいしい食事を毎日楽しんでいます。

それから、この食事法をはじめてから、食べられるものの制限が多すぎて、ほとんど外食をしなくなりました。ベジタリアンやヴィーガン対応の店は増えてきてはいますが、油や砂糖をまったく使わないという店はめったにありません。少なくとも、私の住んでいる地域には、まったくありません。社交的な人や外食が好きな人にとっては苦痛でしかないとは思いますが、私にとっては、外食の費用が抑えられて、ちょっとしたうれしいおまけです。

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