季節を問わず手に入り、いろいろな料理に利用できる便利な野菜、ニンジン! ビタミン A に変換されやすい β カロテンを多く含むニンジンを使って作る「キャロットケーキ」は、我が家の定番のおやつです。
ホールフーズプラントベースの食事をはじめて 3 年以上になりますが、今から半年ほど前、この食事法で、栄養成分を特に気にせず普段通りに食事をした場合、どの程度の栄養素が摂取できているのか記録してみました。
その際に、ビタミン A の摂取量が少々足りないことがわかり、その後は、今まで以上にニンジンを購入するようになりました。買いすぎて余ったときにも、このキャロットケーキなら、不足しがちな栄養素を摂取しつつ、おいしいデザートをいただけるので、まさに一石二鳥です (^_^)
<ビタミン A 欠乏症>
厚生労働省が発表する 2020年版日本人の食事摂取基準(171 ページ参照)によると、ビタミン A が欠乏すると、目の病気では、角膜乾燥症(乳幼児)や夜盲症(成人)になったり、ビトー斑という泡状の沈殿物が白眼に現れたりすることがあるそうです。そのほか、成長阻害、骨および神経系の発達抑制も見られ、上皮細胞の分化・増殖の障害、皮膚の乾燥・肥厚・角質化、免疫障害や粘膜上皮の乾燥などから感染症にもかかりやすくなるそうです。
キャロットケーキ
はじめてキャロットケーキを食べたのは、 30 年以上前にカナダに行ったときでした。手作りのキャロットケーキは、スパイス(ショウガやシナモン)が程よくきいていて、甘くフワフワしたケーキでした。ニンジンでこんなにおいしいケーキができるのだなぁとびっくりした記憶があります。改めてレシピを検索してみると、砂糖、植物油、卵などが使われていて、アイシングにはクリームチーズとグラニュー糖を使うものが多かったです。今回はそれらの材料を使用せず、アイシングもない素朴で簡単なヘルシーバージョンをご紹介します。
<キャロットケーキの歴史>
ウィキペディアによると、糖分を多く含むニンジンは、中世の時代からお菓子に使われていたそうです。また、イギリスでは第二次世界大戦中にキャロットケーキの人気が復活し、アメリカでは 1970 年代にクリームチーズでアイシングしたキャロットケーキが流行したのだそうです。
材料(甘めバージョン)
- ニンジン 160g(小 2 本)
- よく熟れたバナナ(可食部)180g(中 2 本)
- デーツ 70g(10 個)
- 酢 大さじ 1(レモン汁でもOK)
- オートミール 100g
- チアシード 大さじ 1(なくてもOK)
- シナモンパウダー 小さじ 1
- ジンジャーパウダー 小さじ 1(生のショウガのみじん切りなら、さらにおいしいです)
- レーズン 50g
- 豆乳 70g
- 重曹 小さじ 2
- 全粒粉 150g
作り方
デーツは、あたたかい時期はやわらかいので、そのまま使えるのですが、冬場や冷蔵庫に保管している場合は、下準備が必要です。ひたひたになるように水(一晩)かお湯(15〜30分程度)に漬けて、やわらかくしておきます。あらかじめデーツペーストを作って冷凍庫に常備しておくと、すぐに使えて便利です。いずれの場合も、分量外の水が入るため、豆乳の量を減らすか粉の量を増やして、生地のかたさを調節してください。今回のレシピは、やや甘めに仕上がる分量です。ニンジンやバナナの甘さでも味が変わるので、お好みで調節してください。
1.ニンジンを適当な大きさに切ってフードプロセッサーに入れ、パルスでみじん切りにしたら、半量をボウルに移す。
2. バナナ、デーツをフードプロセッサーに入れ、残ったニンジンと一緒にペースト状になるまで撹拌したら 1 のボウルに移す。
3. 酢、オートミール、チアシード、シナモンパウダー 、ジンジャーパウダー、レーズン、豆乳を 1 のボウルに加えてざっと混ぜる。
4. 3 に残りの材料(全粒粉と重曹)を入れて混ぜる。固い場合には、豆乳(分量外)などの水分、やわらかい場合には、全粒粉を加え、写真のような状態にする。
5. 天板にシリコンマットかクッキングペーパーを敷き、 4 を移して平らにする。
6. 180℃に設定したオーブンで 20~30分焼く(私は、余熱なしで 25 分焼きますが、余熱の有無やオーブンの具合によって加減してください)。
ニンジンの代わりにズッキーニを使用してもおいしいです。ズッキーニは水分が多いので豆乳の量を少なめにすると良いです。どちらもコーヒーとよく合います。