2023.06.18 畑の記録「自ずから然らしむ」

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事情があって今月 8 日から、遠方に住む両親の家に帰っています。畑はその二日前の 6 月 6 日以来ほったらかしでしたが、どうしても気になるので、11 日後にようすを見に戻ってきました。アパートに置き去りにした苗も心配です。

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10 日間ほったらかしにした苗

家の中で育てていた苗のほとんどは、幸い留守にする前に畑に出してありましたが、残っていたものは、たっぷり水をやり、透明カバーをかぶせて、レースのカーテン越しの光が当たる場所に置いておきました。10 日後に見てみると、ダメになっているものもありましたが、最も残って欲しかったセロリの苗は黄色くなって徒長しながらも生き残っていました。ニラは、カバーの高さ以上に伸びていたので、天井に当たって途中で折れ曲がってしまっていましたが、何とか大丈夫そうです。そして、何よりうれしかったのは、小さな芽が出たまま成長が見られなかったサツマイモが、留守中に元気に成長していたことです。

これらの苗は、以前からの貸農園ではなく、今年から新しく借りるようになった自然農の畑に植えました。サツマイモの芽は、苗にするにはまだ少し短かったのですが、そのまま置いておくわけにもいかないので、それなりに伸びた芽を根元からとり、活着しやすいように垂直植えにしました。節の数が少なかったのであまり芋はつかないかもしれませんが、少しでも収穫出来ればと思います。苗を採ったあとの芋も土に埋めました。ニラは、畑に持って行った時点でヨレヨレになっていましたが、半分くらいに切り詰めて、畑の端に植えました。セロリは、真夏の強い日差しが当たらないように、トマトとウリ科の支柱の下に植えました。

ほとんどあきらめていた苗ですが、生き残ってくれて本当によかったです。その強い生命力があれば、畑でもきっと大丈夫ですね。

それぞれの野菜の現状

雨が降って、クサソテツ(コゴミ)はすっかり生き返りました。梅雨が明けるまでもうすこし時間があるので、猛暑に備えてしっかり根を張ってもらいたいものです。

ウリ科はおおむね順調です。初期成長が悪かった小玉スイカもしっかりと成長してきたので、少しくらいウリハムシに食べられても大丈夫そうです。あんどんを外して、刈った小麦の藁を敷きました。カボチャもツルを伸ばし始めました。ズッキーニは初収穫! 体もずいぶん大きくなってきました。

ジャガイモは、何度も霜にやられたので成長は遅れていますが、とても元気そうです。キタアカリはまだ小さいのですが、シャドークイーンは、草丈も高くなり、花が咲いていました。

トウガラシ類は、定植後ずっと弱々しい感じでしたが、少し茎が太くなり、順調に成長してきたようです。誘引用の麻ひもをもう一段上に設置しました。ナスは、成長はもう一つですが、瀕死だったアップルグリーンがなんとか生き延びています。トマト類はとても元気そうで、去年までより茎も太く、たくましく成長しています。脇芽を取って、誘引しました。

ニンジンは、なかなかいい具合に成長しています。少し間引いて収穫しました。花オクラも、少し大きくなっていました。これから暑くなれば、グングン成長するのでしょうね。その他の野菜は、草に埋もれてしまったものもありますが、大半は問題なく成長しているようです。

本日の収穫

写真を撮る余裕はなかったのですが、土日の二日間で、サニーレタス、ラディッシュ、ズッキーニ、赤ソラマメ、ニンジンなどを少しずつ収穫しました。イチゴは、収穫時期を逃してしまい、腐ったり、カビが生えたり、虫に食われたりでほとんど駄目になってしまっていました。シーズンも終わりなので、来年を楽しみにします。オオサヤエンドウもすっかりダメになっていました。ほうれん草は、収穫する前にとう立ちして終わってしまいました。それでも、収穫できなかった作物はすべて、畑の肥やしになって、次の作物に命をつないでくれるはずです。自然界に無駄はありません。

今シーズンは終了のイチゴの畝

小麦は、収穫が遅れてしまい、穂が黒くなっていました。とりあえず穂先だけ摘んで収穫しましたが、乾燥させる暇もなかったので、紙袋に入れて家の中に吊るしてきました。食用としてはまず無理ですが、種として少しでも使えればと願っています。茎の部分も刈り取って、麦わらとしてスイカやカボチャの下に敷きました。小麦を刈ると、北側に植えてあったトマトに日が当たるようになったので、今後の成長が期待されます。そのさらに北側に植えたライ麦は、もう一息で収穫という感じでしたが、ちょうどよいタイミングで畑に行くことはできないので、今年は諦めることになると思います。茎の部分は、小麦同様、敷き藁として利用しようと思います。

今日の生き物と草花

越冬したラベンダーの花が咲いていました。はじめて種をまいたフラックスも、美しい色の花を咲かせています。種とり用のニンジンの真っ白な花も可憐です。

川口由一さんのこと

両親宅に戻ってまもなく、自然農の提唱者である川口由一さんがご逝去されたことを知りました。

自然界では、すべてのいのちは「自ずから然らしむ」と川口さんはおっしゃっています。人間が余分な手を加えないことで、畑は、自然界の絶妙なバランスを取り戻します。二年前に手探りで始めた畑ですが、そのような川口さんの考え方に共鳴し、徐々に方向性が定まってきました。

残念ながら実際にお目にかかることはできませんでしたが、川口さんの思想は、私の畑に対する姿勢に深い影響を与えてくれました。これからも、これまで以上に川口さんの考えに同調する人は増えてゆくことと確信しています。素晴らしい生き方を教えてくださった川口さん、本当にありがとうございました。ゆっくりとお休みください。

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