日々お世話になっている自然農の情報源

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自然農をはじめて二年目の秋がやってきました。これまで、さまざまな本や動画を参考にしてきましたが、その中で特に役立つと感じた情報源を紹介したいと思います。以前ご紹介したものと重なる部分もありますが、これまでに役に立ったもの、今も役立っているもの、今後役に立ちそうなものを改めてまとめてみます。自然農のほかに、自然農法、自然栽培、無肥料・無農薬など、よく似た農法でも、いろいろなバリエーションがあります。詳細は違っても、方向性は同じだと思うので、特に「自然農」にこだわらず、さまざまな情報源をご紹介します。これから自然農をはじめようという方のお役に立てれば幸いです。

目次

自然農関係の YouTube チャンネル

島の自然農園

「島の自然農園」とサブチャンネルの「自然農 日々の記録」は、愛媛県松山市の興居島で営農されている山岡亨さんのチャンネルです。メインとサブで交互にほぼ毎日動画を出されています。自然農で、こんなに見事に美しい野菜ができるのだなぁと感心しながら、毎日楽しく視聴しています。営農されているだけあって、畑の規模は大きいですが、家庭菜園でも十分役立つ情報がいっぱいです。実験的にいろいろな方法を試して、比較されているのも面白いです。最後のお話のコーナーでは、自然農を確立した川口由一さんの哲学、また山岡さんご自身の経験や考え方を聞くことができ、技術面だけではなく、精神的な面から自然農を理解するのに役立ちます。山岡さんの畑は、いつか機会があれば是非見学してみたいです。

自然農 日々の記録

「島の自然農園」のサブチャンネルです。日々の畑のようすが見られるので、タイムリーな情報が得られてとてもためになります。最後には、収穫した野菜を使った料理も登場しますが、シンプルな料理がとてもおいしそうです。

中谷自然農園

愛媛県の中山間地で 30 年以上営農されている中谷さんご一家のチャンネルで、無肥料、無農薬、不耕起で栽培するためのコツなどを初心者にもわかりやすく解説してくれています。穏やかな感じのご一家で、田舎で農業をしながら家族仲良く、楽しく生活されているようすが画面から伝わってきて、見ていると心が和みます。大阪出身の中谷さんご一家が、愛媛の田舎に移住して営農することになったいきさつを語る動画もあり、田舎に移住したい人には参考になります。自然農を長く続けている畑で採れる野菜は、とてもきれいでほれぼれします。

ちょこっと自然農

愛知県西尾市のかーびーさんのチャンネルです。自然農一筋というのではなく、不耕起などにこだわらず、いろいろな方法を試しながら、最も楽で効率的に栽培できる方法を追及されています。成功例だけでなく、失敗例も隠さずしっかり見せていただけるので、とても参考になります。

自然農と島暮らし。

「島の自然農」の山岡さんのお弟子さんのまなちゃんのチャンネルです。自然農をはじめて 2 年目ということで、うちの畑と同じなので親近感を感じます。とても丁寧に植物と向き合い、小さなことに感動し、喜びを感じている姿には感心させられます。自然農をするために島に移住し、草に埋もれた耕作放棄地を立派な畑に変える若い力は頼もしく、日本の未来もそう悪くはないのではないかと思わせてくれます。

自然農 びより

三重県の大台町で自給的な生活をされている佐藤太平さん・美佳子さんのチャンネルです。栽培だけでなく、漬物作りや豆腐作りなど、自給生活に役立つ知恵も配信されています。川口由一さんのお米作りの動画なども出されているので、自然農で田んぼをやりたい人は必見です。

まんがらチャンネル

愛媛県西条市で営農している野満育朗さんのチャンネルです。野満さんは、公認心理師として心理カウンセラーの仕事もされているということで、マインドフルネスについての動画もあります。さらに、セルフビルドもするという多才な方で、DIY の動画もあるので、田舎暮らしで役に立ちそうです。

田舎暮らし自然と暮らす

佐渡島で自給生活をされているマヤさんのチャンネルです。自然農のチャンネルではありませんが、サステイナブルな生き方という意味で、非常に勉強になります。マヤさんご一家は、お米や野菜を育てながら、ガス・水道を引いていない家で生活していて、まさにサステイナブルな生き方のお手本のような暮らしです。このような生活は、便利な生活に慣れ切っていると、とても大変そうに見えますが、物質的に無駄がなく、精神的に豊かな生活は、とても美しく、あこがれを感じます。これからの時代、このような暮らしをする人が増えていくのではないでしょうか。

瀬戸内まいふぁーむ【自然農法チャンネル】(2023年9月17日追加)

福岡正信さんの自然農法を学び、20 年以上実践されている高内実さんのチャンネルです。たいへん知識が豊富な方で勉強になります。特に下記リンクの動画はおすすめです。

自然農関係の本

自然農・栽培の手引き いのちの営み、田畑の営み(鏡山悦子)

川口由一さんの指導の下、鏡山悦子さんがまとめた自然農の手引きです。種のまき方から、収穫、種取り、そして収穫物の保存の仕方や利用法までが、イラスト付きで事細かに書かれていて、まさに自然農の教科書ともいえる充実した内容です。自然農をはじめるにあたって、是非一度は目を通しておきたい、そしてできれば手元に置いておきたい一冊です。

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完全版 川口由一 自然農(川口由一)

川口由一さんの自然農がわかりやすくまとめられた本です。「誰でも簡単にできる! 川口由一の自然農教室」と比べると、掲載栽培品目は多いですが、一つ一つの説明が簡潔なので、細かい説明が欲しい人には物足りないかもしれません。どちらも良い本ですが、農業初心者であれば、好みだとは思いますが、「誰でも簡単にできる! 川口由一の自然農教室」の方が良いかもしれません。

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誰でも簡単にできる! 川口由一の自然農教室

初心者にもわかりやすい自然農の本です。イラストもきれいで、写真も多めでわかりやすいです。「完全版 川口由一 自然農」よりも掲載されている栽培品目が少なめなので、どちらがいいかは、図書館などで借りて、実際に見てみるといいのではないかと思います。

上記の二冊は実践的な本ですが、自然農の何たるかを本質的に学びたい場合は、川口さんの「妙なる畑に立ちて」や「自然農にいのち宿りて─目覚め・悟り・成長への道すじ」などもお勧めです。

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コンパニオンプランツの極意(竹内孝功)

コンパニオンプランツのことをインターネットで調べていると、いろいろな情報があって混乱してきますが、この本が一冊あると基本を知ることができます。植物の地上部だけではなく、地下のようすもイラストつきで詳しく書かれているので、言葉だけで説明されるよりも理解しやすく、頭にも残りやすいです。

完全版 自給自足の自然菜園12カ月 野菜・米・卵のある暮らしのつくり方(竹内孝功)

竹内孝功さんの本はたくさんありますが、この本は、自給自足のことを知りたい野菜づくりの初心者にはピッタリの本でした。細かい栽培方法が学べるだけでなく、年間を通した栽培計画を立てるのにも役立つ本だと思います。しばらく電子書籍しか販売されていませんでしたが、増刷されたようで紙ベースの本も買えるようになりました。

上記二冊のほかにも、竹内孝功さんの本は、小規模に家庭菜園で野菜を育てたい初心者には特に役立ちます。

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道法スタイル 野菜の垂直仕立て栽培(道法正徳)

自然農ではありませんが、よく参考にしている本です。野菜を垂直仕立てにして植物ホルモンを活性化し、それにより病害虫を防ぎ、成長を促進するという栽培方法です。ミニトマトやナスなどで実践しましたが、他の野菜でも試してみたいです。道法さんは、もともと果樹を専門とされているようなので、いつか果樹が栽培できるようになったときにも、是非採用したい方法です。「マル農のひと」という本には、道法さんが独特の栽培法にたどり着いたいきさつが語られていて、読み物としておもしろかったです。

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無肥料栽培を実現する本(岡本よりたか)

現代の農業のあり方に警鐘を鳴らし、自ら無肥料栽培を実践している岡本よりたかさんの本です。不耕起にはこだわらず、自然の法則から外れた農法ですでに壊れてしまった栽培環境を整えるために、手を入れるときは手を入れ、環境が整ったあとは自然に任せるというスタンスは、とても現実的だと感じます。教科書通りに栽培するのではなく、自然から学び、自分で考えることの大切さを教えてくれます。

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わら一本の革命(福岡正信)

言わずと知れた自然農法の生みの親、福岡正信さんの本です。外国でも有名なこの本は、パーマカルチャーなどにも大きな影響を与えています。自然農法、自然農、自然栽培などいろいろありますが、細かい区別に関わらず、一度は読んでおきたい本です。

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驚くほどよく育つ野菜づくりの裏ワザ 決定版(木嶋利男)

通常の栽培法とはことなる、びっくりするような技が学べる面白い本です。ニンニクの薄皮をむいて植え付ける方法などもこの本に書かれています。他にも興味深い方法がいろいろ載っているので、これから試してみたいと思っています。

自然農1年生 畑は私の魔法のじゅうたん(銀色夏生)

この本は、島の自然農園さんのYouTubeチャンネルで紹介されていました。私もちょうど同じころに自然農を始めたので、読んでいてとても親近感を感じました。自然農をはじめたばかりの人に是非読んでもらいたい一冊です。

自然農関係のウェブサイト

自然農と言えば、赤目自然農塾ですね。定期的に勉強会が開かれているので、近ければ是非行きたいところですが、残念ながら、とても通えるような距離ではありません。川口由一さんの畑の見学会などもあるので、いつかは行ってみたいです。遠方の人には、自然農関連リンクにある「自然農 学びの場へのご案内」が役立ちます。全国で自然農が学べる場所が掲載されています。自然農・いのちのこわり~田畑における具体的問題と解決~には、自然農実践者が実際に遭遇する問題点、そしてその解決法がまとめられていて、非常に参考になります。

赤目自然農塾公式ウェブサイト

おわりに

少し前に自然農をはじめた方々は、情報を得るのに苦労されたようですが、今では、ありがたいことに、本や動画でいくらでも情報が得られます。また、今では自然農の実践者が全国にいらっしゃるので、実際に畑を見学したり、勉強会に参加したりということも可能です。栽培法などは、その地域の気候などによって異なるので、自分の栽培環境に近いところで勉強会などに参加できれば一番だと思います。でも、自然農に興味を持ったなら、とにかく実際にははじめてみるというのも一つの方法です。私たちも、畑を借りて実際にはじめるまでは、何がわからないのかもわからない状態でしたが、何もわからないままでも、とにかくはじめてみたのは正解でした。実際に土に触れ、植物を観察するうちに、ゆっくりゆっくりではありますが、知識と経験はついてくるものだと実感しています。また、栽培がうまくいくかどうかは別として、植物や生き物に囲まれて畑で過ごす時間は楽しいものです。立派な野菜を育てられるようになるまではしばらくかかるかもしれませんが、小さくても、形が悪くても、虫食いがあっても、自分で作った野菜は最高のごちそうです。しかも、安心・安全な無肥料無農薬の野菜となると、100 倍おいしく感じます。

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