スーパーで食品を選ぶときに気をつけていること

スーパーで食品を選ぶときに気をつけていること

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スーパーやコンビニに行くと、同じ食品でもたくさんの種類があり、どれを選んでいいかわからない、ということがありませんか? ヘルシーなものを選ぼうと、パッケージの表面に「無添加」、「ヘルシー」、「オーガニック 」 、 「 天然 」 、 「 減塩 」 、 「 ノンシュガー 」、「ローカロリー」 などと書かれたものを買っていませんか? 私はそうでした……。でも、実際には、パッケージの表面に書かれた派手な文字には何の意味もありません。重要なのは、裏側に地味に書かれた食品表示ラベルです。私もホールフーズプラントベース(WFPB、詳しくはこちら)ダイエットをはじめてから、食品表示ラベルをよく確認するようになりました。

目次

食品表示ラベルの見方

朝早くから夜遅くまで仕事をしていると、毎晩帰宅してから料理をするのはなかなか大変です。特に私はのんびりした性格で何をするにも時間がかかるので、カナダにいたときは、週末の間に、平日に食べるものをある程度準備するようにしていました。一週間分の食材をまとめ買いすることになりますが、時間が限られる中、すべて一から調理しなくてもいいように、最低限加工された食品を買うことも少なくありませんでした。パン、パスタ、ピーナッツバター、豆やトマトなどの水煮、冷凍野菜、ドライフルーツ、プラントベースミルクなどです。そのような食品を選ぶとき、たくさんの商品の中からどれがいいかを判断するために、食品表示ラベルを見ます。よくわからない言葉や数字の羅列で、以前は見るのも面倒だった食品表示ラベルですが、WFPB を学ぶ中で、とてもシンプルな判断基準を知りました。

自分が知らない原材料が記載されているものは選ばない」 

ということ。もちろんそれ以外にも見るべきことはあるのですが、これが最低限のポイントです。

食品表示ラベルをマジマジと見ると、この食品を作るのになぜこんなにたくさんの材料が必要なのだろう?と驚くことがあります。大量生産されている製品には、聞いたことのない原材料がいくつも記載されていることがしばしば。食品会社の立場になれば、利益を上げられなければ意味がありません。コストを抑えながら、消費者がおいしいと思って何度も買ってくれるもの、賞味期限が長いものを作りたいという気持ちで日々開発に努め、いろいろ工夫をしているのだと思います。使われているのはどれも国が安全と認めた原材料とはいえ、一消費者としては、やはり、できるだけ体に良いものを選びたいものです。意味の分からないカタカナやアルファベットが並んでいたら要注意です。

私の場合、WFPB の食生活を心がけているので、動物性の食材や油脂、砂糖などを含まない製品を選びます。気を付けているポイントをいくつか挙げたいと思います。

<プラントベースミルク>
WFPB では、牛乳の代わりに、豆乳、オーツミルク、アーモンドミルク、ライスミルクなどを使います。日本の場合、一番安くて良いものが手に入りやすいのは豆乳ではないでしょうか。原材料は、遺伝子組み換えでない大豆のみのものを選びます。

<パン>
私の場合、日本のスーパーなどで売っているパンは、ほぼ買うことができません。バター、マーガリン、ショートニング、油脂、牛乳、砂糖、安定剤、乳化剤、その他カタカナが並んだ何かわからない添加物を使っていないものを見つけるのは至難の業だからです。パン屋さんは食品表示の義務がないので、聞くしか方法がありません。幸い、私が現在住んでいる町には、植物性原料のみを使用しているパン屋さんがあり、油の使用も表示されているので、とても助かっています。カナダのスーパーでも、手にしたごく普通の食パンの原材料の多さにとても驚いたものです。びっしりと知らない材料が記載されていて、小さすぎて読むこともできないほどでした。これは私が老眼のせいですね m(_ _)m

私は、サワードウブレッドか、フランスパンのようなハード系のパンを購入することが多いです。サワードウブレッドの原料は、小麦やライ麦の粉と水と少量の塩のみ。フランスパンの原料は、そこにイーストが加わります。特に本物のサワードウブレッドを探すのは難しいですが、原材料を快く教えてくれるような、信頼できるパン屋さんを見つけたいものです。もちろん、自家製であれば尚よいですが……

<ドライフルーツ>
果物以外の材料が含まれていないものを選んでいます。ドライフルーツの原料には砂糖や油、それに保存料や着色料、漂白剤などが含まれている場合が多いです。果物を干すと糖分が凝縮されて十分に甘くなるのに、なぜ砂糖を入れる必要があるのか疑問ですが、おそらく保存期間が長くなるのでしょう。

<缶詰などの保存食品>
保存食品には大量の塩が使われています。もちろんその他のよくわからない原料もたくさん入っている場合があります。トマト缶であればトマトのみ、瓶詰の豆であれば豆のみなど、余分なものが含まれていなければ一番よいのですが、そのような製品が見つからない場合は、できるだけ塩分含有量の少ないものを選びます。塩が含まれる豆缶などの場合は、水で塩分を洗い流したり、調理時に追加する塩の量を減らすようにしています。

保存食品のパッケージについては、いろいろな情報があふれていて、何を買ったらよいかわからなくなります。例えば、缶詰の缶や食品容器のプラスチックには、ビスフェノール A ( BPA ) の健康被害に関する懸念があり、テトラパックには、リサイクルが難しいという問題があります。そのような問題に対処するために、次から次へ新しいパッケージが開発されますが、今はよいと言われていても、あとで実は地球にとってサステイナブルでなかったというものも出てくるのではないかと思います。そんなことも気になるので、できる範囲で、工場で作られて包装された食品を避け、季節の新鮮な野菜や果物を買い、そのまま味わうか、または冷凍したり乾燥させたりしています。

特に注意している食材

大きな病気もせず健康に過ごしてきたので、若い頃は、遺伝子組み換え食品 ( GMO食品 )、トランス脂肪酸、MSG(グルタミン酸ナトリウム)その他の食品添加物について、正直あまり気にしていませんでした。カナダに移住してからは、遺伝子組み換え食品など、説明を聞かなくても体にはよくないであろうと想像がつくものは、できるだけ避けていました。また、MSGは、化学調味料という認識だったので避けていました。「トランス脂肪酸」については、カナダでは当時からよく耳にしていたものの、それが何かもわからず、特に避ける努力もしていませんでした。そんな私ですが、カナダで知り合った友人からいろいろと教えてもらい、以前よりは食品の安全性についての知識が増えました (^^;) 今では、トランス脂肪酸と MSG は特に避けています。この機会に、多くの加工食品に含まれている、この二つの物質について少し調べてみました。

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、常温では液体の植物油などを水素添加という処理を施すことによって固体にするときに生じます。トランス脂肪酸を多く含む食品としては、マーガリンやショートニングが挙げられます。食品をカリっと仕上げたり、サクサクとした食感を与えたり、加工性をよくしたり、長持ちさせたりと、いろいろな目的で、多くの食品に使用されています。

2003年、WHO(世界保健機関)は、トランス脂肪酸が心臓病のリスクを高めることを報告し、2023 年までに、工業的に製造されたトランス脂肪酸を世界中の食品から排除するよう提言しています。これを受けて、多くの国では、食品中のトランス脂肪酸濃度の上限値を設定したり、食品への部分水素添加油脂(Partially Hydrogenated Oil:PHO)の使用を禁止したりなどの対応をしています。

心臓病は、日本でもカナダでも、がんに次ぐ死亡原因となっています。カナダでは、国民の心臓病のリスクを軽減するために、トランス脂肪酸の摂取源となる部分水素添加油脂の食品への使用が 2018 年 9 月に禁止されました。一方、日本の農林水産省のウェブサイトには、「トランス脂肪酸の関係情報の収集・解析を行うとともに、国民の皆様が健やかな食生活を送ることができるよう、情報提供を行う」と記載されています。しかし、トランス脂肪酸に関する表示の義務や基準値はありません。

日本では、はっきり危険とは言われていないものの、他国で健康に被害を及ぼすとされているものであれば、避けておくのが賢明かもしれません。個人的には、WFPB ダイエットの見地から、油脂を含む食品は食べないので、油であるマーガリンやショートニングを含む食品はどちらにしても選びません。 

MSG (グルタミン酸ナトリウム)

MSG という言葉はカナダで知りました。先にも書いたように、MSG = 味の素 = 化学調味料 という認識でしたが、この記事を書くにあたり、実際 MSG は何からできているのか、そして諸外国でどんな規制があるのか簡単に調べてみました。

味の素社のウェブサイトによると、味の素は、さとうきびの糖蜜に発酵菌を入れて製造したグルタミン酸をグルタミン酸ナトリウム、すなわち MSG の状態に加工、精製したものということです。食品表示ラベルには、添加物として「調味料(アミノ酸)」、もしくは「調味料(アミノ酸等)」と表記されるようです。味の素によると、1960 年代に中華料理店で食事をした人が健康被害を訴え(チャイニーズ・レストラン・シンドローム)、それを調査した科学者が、原因は料理に使われているうま味成分であるグルタミン酸ナトリウム(MSG)であると、医学論文誌に発表したことがきっかけで、味の素は危険だという噂が広まったとのことです。そして、1980 年代に化学調味料から「うまみ調味料」と名称が変更になったそうです。ご存知の方も多いかと思いますが、「うまみ」という日本語は、海外でも浸透してきました。

味の素によると、他国で製造される MSG の原料は、キャッサバ、トウモロコシ、米、小麦です。これらのでんぷんを糖化してから使用しているそうです。

実際海外での対応はどうなのかと調べてみると、アメリカ政府もカナダ政府もMSG の規制はしていません。国民からの安全かという質問には、一般的には安全であると答えています。カナダ政府は、MSG に対してアレルギー反応を起こす人や過敏症の人は、一時的に頭痛などの諸症状を引き起こす場合があるので、摂取を避けるよう促しています。チャイニーズ・レストラン・シンドロームのイメージが強いからか、国民からの質問が多いのでしょう。EU は使用量の上限を設置しています。

安全性については実際にどうなのかはっきりしませんが、個人的には、安全であったとしても「うまみ」だけを抽出した調味料や、MSG を利用した食品の必要性は感じません。時間がなくて簡単にうまみをだしたいときは、オニオンパウダー、ガーリックパウダー、昆布(私はフードプロセッサーで粉砕したものを常備しています)などを利用しています。原材料や製造工程がはっきりしているうえに、MSG よりもおいしいからです。「うまみ」は、野菜、きのこ、昆布、麹、豆などさまざまなものから得られます。自然のものの方が「おいしい!」と感じられることに感謝するばかりです。

最後に

多くの人が忙しい生活を送る中、加工食品は便利でありがたいものだと思います。私も忙しいときにはお世話になります。しかし、WFPB を知ってから、消費者として、企業の宣伝文句だけををうのみにするのではなく、食品表示ラベルや製品の環境への負荷なども確認して判断することが大切なのだと考えるようになりました。消費者が、環境や体に負担のあるものを意識して買わないようにすれば、企業は消費者が求めるものを研究・開発することになり、おのずと良い商品だけが残っていく。楽観的すぎるかもしれませんが、スーパーなどに並ぶ食品は、消費者が正しい知識を持つようになれば、よりよいものへ変わっていくと信じています (^_^)

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