2022.06.26 畑の記録「自然農二年目の畑、不耕起、無肥料、無農薬の力」

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近所の畑や貸農園の他の人の畑を見ていると、冬にはほとんど何もなかったのに、いつの間にか、トマトやナスやピーマン、カボチャやズッキーニ、その他さまざまな野菜が大きく成長しています。それと比較すると、うちの野菜の成長があまりに遅いので、やはり肥料なしでは難しいのかと、やや自信を失いかけていました。ところが、夏の暑さが増すにつれ、野菜が一気に成長をはじめ、不耕起、無肥料、無農薬の自然農のすごさ、自然の偉大さを改めて実感しました。

目次

自然の力

家の近所には畑がたくさんあります。散歩に出るといつも人の畑に注目しているのですが、うちの畑と比べて、作物の成長スピードが格段に速いです。貸農園の周囲の畑でも同様です。どの作物もあっという間に大きくなり、一進一退でなかなか成長しないうちの作物とは大きく異なります。耕してフカフカの土では、野菜は根を張りやすく、それが肥料(有機肥料でも化学肥料でも)を施した土なら、初期成長はさらによくなります。さらに、春になってもなかなか朝晩の気温が上がらないこの地域では、黒マルチや不織布トンネルの保温効果が、植物の成長に大きく貢献していると思われます。効率よく野菜を作るという意味で、慣行農法がいかに優れているかを目の当たりにしたような気がします。

ただ、その成長の仕方が自然の姿ではないことは確かです。うちのミニトマトやとうがらし類は、ついこの間まで、低温で成長が滞り、虫に食われてボロボロになり、一部は養分不足で今にも死んでしまいそうだったにもかかわらず、季節が進むにつれて、自然と元気を取り戻し、何事もなかったかのように成長しはじめました。よその作物と比べてあまりにも成長しないので、何か問題があるのかと心配しましたが、それは全くの杞憂でした。この成長の仕方こそが自然の姿であり、黙って見ていれば、季節の歩みに合わせてちゃんと成長することになっていたのです。人と比較して劣っていると判断するのではなく、自然の力を信頼し、その力にすべて委ねていればよかったということに、今になって気が付きました。

慣行農法で栽培された作物を見ていると、トマトの茎が異様に太く、葉の色もとても濃く、明らかに養分過多の症状を示しているものをよく見かけます。養分過多の野菜にはアブラムシなどがつきやすくなり、薬剤で対処しなければならない事態に陥るという話はよく聞きます。わざわざ肥料を使って早く大きく育て、そのせいで虫がついて農薬を使うことになるというのは、人間が自分たちの体にしていることと変わらないような気がします。タンパク質やカルシウムなどの栄養が必要だと言って動物性食品を摂り、そのせいで病気になって薬を使う。薬の副作用が出て、さらにそれを抑える薬を使う。何もしなければ起きなかったはずの問題を自分で起こし、それに対処するためにさらに問題をこじらせるというパターンです。相手が植物であれ人間であれ、無駄なものを与えず、自然の力を引き出すために必要最小限の手助けをすれば、その植物なり人間なりに内在する能力が最大限に発揮されるということなのでしょうね。

自然農について学び、不耕起、無肥料、無農薬の重要性を頭では理解しているつもりでも、本当にそんなにうまくいくんだろうか、という疑いの気持ちが全くなかったとは言い切れません。今回、人間の心配をよそに、自然のリズムに合わせてゆっくりと着実に成長する野菜の姿を見て、たった一つの小さな種に秘められた力の偉大さに驚かされました。後世に命をつなぐことだけを目的として、環境と共生関係を保ちながら生きていく。以前は人間も同じだったのかもしれませんね。植物から学ぶことはたくさんあります。

今日の作業

まずは、地這いキュウリの種まきです。キュウリといえば、支柱にネットをかけて上に向かって誘引する栽培がより一般的ですが、自然農でよくおこなわれる時這い栽培に挑戦してみることにしました。より広い面積が必要になりますが、葉が地面を覆うため、暑い時期にも土が乾きにくく、ネット栽培よりも台風に強いというメリットがあるようです。明日から晴れて暑い日が続くということなので、種をまいて水をたっぷりやったあと、もみ殻燻炭をまいて、その上からさらに草をかけました。ウリハムシ対策として、低いあんどんもかけました。日射しが強そうなので、日よけにもなるかもしれません。昨日、ポリポットに一つだけ種をまいたので、万が一直まきが失敗した場合には、それを使う予定です。

スリーシスターズのカボチャの種もまきました。トウモロコシとつるありインゲンに続き、最後の種まきです。つるありインゲンは、順調に芽を出し、すぐにトウモロコシの草丈を追い越しそうです。トウモロコシが支柱になるはずなのですが、これでは間に合いません。どうしましょう?

つるなしインゲンの種もまきました。短期間で実るありがたい作物です。種まきのあと、たっぷり水をやって、乾燥防止のために麦やニンニクの残渣をまいておきました。

育苗中のバジルは、大きくなってきたので、何か所かに定植しました。まだまだたくさんありますが、隣のカボチャが成長したら、葉が覆いかぶさってくるはずなので、近いうちにすべて移植する必要があります。

成長してきたバジル

今日は、畑の周囲の草刈りがされて、すっきりしていました。農園の人、ありがとうございます。草刈りのあとで落ちていたり捨てられたりした草が大量にあったので、拾ってきてマルチにしました。特にスイカの畝(スイカ、大豆、つるなしインゲン、落花生、オクラを栽培中)にはたっぷりマルチをかけました。捨てられる草も私たちにとってはお宝です。

草をたっぷり敷いたスイカの畝

それぞれの野菜の現状

カボチャは、あんどんを外してからも、それほどウリハムシの被害もなく、順調に成長しています。

つるなしインゲンは、小さい体でたくさんの実をぶら下げています。長いものは地面につくほどです。あとで種をまいたものは、葉っぱに白い斑点が出ているものがあります。何かの病気のようですが、うどんこ病でもなさそうな感じです。何でしょうね? 無事実がつくといいのですが。

本日の収穫

今日はおそらく最後のイチゴ収穫です。イチゴもワイルドストロベリーも小さいものしか残っていませんでした。短い期間でしたが、毎回楽しませてもらいました。これからは来年用の苗作りです。

今日もサニーレタスは元気に育っていました。このところ毎日食べていますが、毎回大量に収穫できるので心強いです。フレンチブレックファスト(ラディッシュ)も大きくなりました。きれいな色はサラダの飾りになりますが、甘酢漬けにしてもぬか漬けにしてもおいしいです。そして、今日はズッキーニを 4 本、初収穫です。まだ小さいのですが、明日から一週間は 33~35℃ の猛暑が予想されていて畑には行けそうにないので、大きくなりすぎる前に収穫することにしました。インゲンもきれいなものがたくさん採れました。もうすぐ終わりとなるスナップエンドウも少し収穫できました。どちらも茹でたてをそのまま何もつけずに食べるのが一番おいしいです。ハーブ各種も少しずつ収穫しました。大量に使うものではないので、畑にあると、少しずつ採って使えて便利です。

今日は、この春新しく畑を借りたお隣さんとはじめて顔を合わせました。大急ぎで収穫だけしに来たようで、すぐに帰って行かれましたが、帰り際におすそ分けをいただきました。大根とニンジンです。ありがとうございます!

今日の生き物と草花

この頃テントウムシの数が少ないなと思っていたのですが、今日はたくさんの蛹を見ました。きっと見えないところにもたくさんいると思うので、アブラムシ退治は任せておけば大丈夫ですね。ところで、テントウムシの寿命はたった二か月だそうです。成虫になるまでが 20 日、成虫になってからは一か月しか生きないのだとか。何世代にもわたって畑を守ってくれているのですね。

テントウムシ以上にカメムシはよく見かけます。虫を食べてくれる肉食のカメムシもいるようですが、畑にいるものの多くは、作物の汁を吸うタイプのようです。今のところ大きな被害は見られませんが、大豆が一番心配ですね。混植したマリーゴールドとミントの効果に期待しています。

とうがらし類の花が咲き始めました。パレルモの白い花はかわいらしいです。去年採った種から育てたマリーゴールドもようやく大きくなって順調に花を咲かせはじめました。ナスタチウムは、購入した種ですが、これまで赤い花ばかりだったのが、今日はオレンジ色が咲いていました。あとは黄色も咲いてくれるといいなぁと思っています。

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